<問題の顕在化>直接的な表現はいいのか悪いのか。
前章では、相手と議論することが大好きなお二人が、我々日本人と軋轢を生む素地を持っているということをお伝えしました。本章ではそんなお二人が出している小さな棘のようなものを具体的にみていきます。
海プロでは様々なテーマで議論したり意見を言ったりする機会があります。お勧めの場所を発表するというテーマでは自国の美しい景色を紹介したり、おいしい食べ物を紹介したりしますが、そんな中、Rさんは「そこは歴史的な背景による影響がとても強いので日本人は行かない方がいい」とズバッと切り込んできました。あまりにもストレートな物言いに「日本人が聞いたらショックを受けるのでもう少しやわらげた表現を入れたほうがいい」とアドバイスしたほどです。一方のS2さんは、香嵐渓へ行かれたお話を伺った際に、「(ひどい渋滞に巻き込まれて)二度と行きたくないし、友達にも薦めたくない」とこれまた手厳しいひと言。
世界の中では直接的な表現が好まれる言語も多くありますが、日本ではあまり好まれないケースもあります。ではそれはどうしてなんでしょうか。
あるときS2さんに講師が聞いたところによると「日本人がそういう考え方をするのはわかる。わかるけれどわたしは変えるつもりはない」とおっしゃっていたそうです。次章ではそんなS2さんとRさんがどう変わっていったのか、詳しくお伝えしていきます